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10月お届けのそうめん

旅するそうめん 奈良・宮崎編

ノンオイルそうめんの旅

そうめんは小麦粉、水、塩、油の4つの素材で作られています。小麦粉に塩水を混ぜ合わせ練って伸ばしていくのですが、小麦粉の塊を伸ばしていくときに油を塗ることで1.7mm以下の細い麺まで伸ばすことができます。また油を塗ることで麺同士がくっつかないという役割も果たしています。最後に19mmの長さにカットして完成というのが一般的なそうめんの製造工程。使われる油は植物性のものですが、この油が小麦粉の風味や香りを邪魔しているのも事実。そうめんの袋を開けたときに独特の粉っぽい匂いがぷ~んと香ってくるのですが、これは小麦粉の香りではなく「油の酸化臭」。酸化した油が小麦の味を失わせてしまっているのです。

その対策として小豆島そうめんではごま油が使われていたり、島原そうめんでは炭の蔵で寝かせることで酸化速度を遅くしたりなど工夫がされています。しかし、これでも酸化を止めることはできません。

では、単純に油を使わなければいいのでは?

その通りなのです。小麦本来の味を堪能するには油を使わないのが一番。しかしその製造は手間がかなりかかるため、どの製麺所でもなかなか取り入れることができないのが現実。でもその手間を惜しみなく注ぎ込んだそうめんが今月紹介する三輪素麺の山勝製麺が作る「一筋縄」です。三輪素麺はそうめんの歴史の中でも日本で一番古いことで知られています。「一筋縄」はノンオイルそうめんの新たなブランドとして独自製法で作られたもので、油の代わりに吉野葛を使うことで、小麦本来の味を最大限に引き出しました。つるんと喉を通る感覚は、喉ごしを超えて「喉走り」とソーメン二郎さんは表現します。

そしてもうひとつは、宮城のはたけなか製麺の「みちのく手のべ温麺(うーめん)」です。白石という地域で作られているのが白石温麺(しろいしうーめん)で、400年の歴史があります。ノンオイルで長さがなんと9cmとそうめん界の中でも最も短いのが特徴です。なぜうーめんが出来上がったのでしょうか。

その昔、蔵王山麓の白石城下に暮らす男の父親が胃腸が弱く、喉の力も弱かったため食事に苦労をしていたそうです。そんなお父さんでも負担がなく食べられるそうめんが作れないかと旅の僧に聞いたところ、油を使わない麺の製法を教えられ、さらに食べやすいように麺を短くして作ってみたことお父さんが元気になったことから、この地域でうーめんが作られるようになりました。冷やして食べるよりは胃に優しい温かいおつゆやあんかけなどにして食べられています。麺が“温かい”ということもありますが、人を想う優しさや心の“温かさ”から「温麺」と名付けられたとか。
 
どちらのそうめんも一口食べたら、味や口当たり、喉走りのよさがすぐにわかります。アレンジを楽しみながら味わってみてください。

今月の絶品そうめん①

山勝製麺「一筋縄」

油の代わりに吉野葛を使った「喉走り」抜群で、小麦粉の味をしっかり楽しめるそうめん。茹でると透明感が出てキラキラと輝く美しさも特徴です。

「一筋縄」の名はかつてのそうめんの呼び名である麦縄と、一筋縄で作れなかったけれどこのそうめんにたどり着いた、一筋で突き詰めてきたらこういうそうめんができたという意味がこめられています。ソーメン二郎さんも「これ以上のそうめんにはまだ出会っていない」と太鼓判を押す逸品。

今月の絶品そうめん②

はたけなか製麺「みちのく手のべ温麺」

「温麺」と書いてうーめん。ノンオイルで9cmと短いのが特徴で、小さな子どもやお年寄りでも食べやすいのが特徴です。白石ではあんかけや温かいお汁で食べられていますが、麺が短いので汁物にしても飛び跳ねにくい!

麺が太めで一束も太いので、歯ごたえも食べ応えもあります。サラダや和え物など様々な料理に使え、さらにパッケージがコンパクトなので持ち運びしやすく、手土産にも最適です。人の優しさが詰まったそうめんをご賞味ください。

いい器は料理を美味しくする 器のはなし

盛岡の民芸うつわ店で見つけた青皿

筆者がこの器(中央の丸皿)と出会ったのは10年程前。記憶は定かではありませんが、確か盛岡市にある光原社という全国から集めた漆器や焼き物を扱う工芸品店で購入したと思われます。光原社のはじまりは、工芸店ではなく実は出版社で、宮沢賢治の生前唯一となった童話集『注文の多い料理店』を発行する際の縁で宮沢賢治が「光原社」と命名したのだとか。

器の詳細についてはよく覚えていませんが(もしかしたら小代焼?)、渋みがありながらも美しい青色に一目惚れして購入したことだけは覚えています。厚みのあるぼってりとしたフォルムはどこか温かみがあり、普段使いにはぴったり。和食や洋食と様々な料理に合いますし、写真のように白いそうめんがよく映える器です。

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